第一話から続きます。
今回は人工内耳を検討してから決断するまでの話。
人工内耳のイメージ
正直いって、以前は人工内耳にあまり良いイメージがなく、興味もありませんでした。見た目の割には効果がなさそうだという偏見もありました。
特に、人工内耳が普及する前に育った私の世代より上のろうの人たちは、人工内耳に良い印象を持っていない人が多いように思います。
例えば、
- 補聴器と大して変わらない
- 大人になってからの手術は意味がない
- 電池代が高い
- 頭痛や耳鳴りがひどくなる
- 行動が制限される
- 味覚障害
- 顔面麻痺
などなど、噂に聞くリスクを冒してまでやる価値があるのかどうかわからず悩みました。
それから暇さえあれば体験談ブログを読み漁り、海外のサイトも調べまくりました。英語を勉強しておいて良かった…!情報量が格段に違うことを改めて実感。自分が人工内耳に抱いていたイメージはほとんどが間違いだったことがわかりました。
この時期に読んだ聴覚障害関連の本で、特に印象に残ってるのが以下の3冊。
決断
人工内耳は、日本に導入されて30年以上が経ち、技術がほぼ確立されています。手術方法も最近大きく改善されました(病院によるかもしれません)。適応基準も変わり、今では保険適用になっています。
調べていくうちに、自分が知らないうちに目覚ましく進歩していることを知り、当初抱いていたイメージは払拭されました。プロセッサにも Bluetooth や 充電機能が追加され、最近では目立たないモデルもあります。
人工内耳をつけても deaf(ろう)であることに変わりはないし、聴者になれるわけではないのは確か。でもまた音が聞こえるようになる可能性が少しでもあるなら、やってみよう。もし効果がなかったらそれこそ潔く静寂の世界にどっぷり浸かろう。気づけばそんな心境に変わっていました。
音のない世界、補聴器の世界、そして人工内耳の世界と、生きてる間に色んな経験ができるなんて美味しいじゃないか。
そんなこんな流れで手術することを決断しました。
病院探し
ネットや友人たちから以下のような情報を集め、
- 手術実績・症例
- 取扱メーカー
- アフターケアの内容
- 言語聴覚士(ST)の評判
実績が多い4つの病院に相談に行き、最終的にT病院に決定。
決め手となったのは、主治医とSTさんが親身になってくれたこと。どんな疑問にも的確に回答してくれたので不安感を払拭することができました。
特に、リハビリで長い付き合いになるSTさんとの相性、交通の便も重視。
付き添いの家族と一緒に問診を受けた時も、常に私の目をみて話してくれたので好印象を持ちました。これって当たり前のようで意外とできない人が多いと思います。ここなら信頼できる、安心して診てもらえると思いました。
あと、最近身内が入院したことがあり病院食が美味しいのを知っていたから笑。ごはん大事。
つづく
偏見って怖いですね。何事も知ろうとすることが大切だなあとつくづく思います。
つづく。