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カナダから見る東京デフリンピック | きこえない人のオリンピック

今年、100周年を迎えたデフリンピックが東京で開催されています。
SNSやニュースで目にする機会が増えましたが、「なにそれ?」という方もまだ多いかもしれません。
残念ながら日本と同様、カナダでもデフリンピックの認知度はそこまで高くありません。
この記事では、カナダ在住の視点から見たデフリンピックをまとめてみました。
今年の東京大会をきっかけに、少しでも興味を持つ人が増えるとうれしいです。

デフリンピックとは
デフリンピック (Deaflympics) は、きこえない・きこえにくいアスリートが参加する国際スポーツ大会です。
デフ (Deaf) は英語で「耳がきこえない人」を指します。つまり「デフ + オリンピック」ということですね。
オリンピック・パラリンピックと並ぶ歴史ある国際大会で、4年に1度開催されます。
当然のことながら、大会運営は手話メイン。他にも、ライトを使った号砲や旗を使った審判など、視覚情報が重視されます。
聴覚障害者や手話に興味のある人など、当事者の間ではよく知られていますが、一般の認知度はまだまだ低いのが現状。
パラリンピックに比べると、スポンサー支援やメディア露出が少ないことも影響しています。
2025年東京デフリンピック
2025年の東京大会は、デフリンピック100周年という節目の年。しかも日本での開催は今回が初めてです。
いつもは見向きもされないデフリンピックですが、今年はこれまで以上に注目が集まっています。 日本初ということで各メディアでも取り上げられる機会が (ほんの少し) 増えているようです。
東京大会の開会式動画はこちら。
高市首相や小池都知事のスピーチには、日本手話と国際手話の通訳がついています。
さらに歌手の一青窈さんと、日本ろう劇団の江副代表が手話で国歌斉唱。なかなか豪華です。
ただし、手話や字幕などの視覚情報がないがしろにされ、「聴者ありき」の大会運営ではないかという議論も散見されています。
それも含めてデフリンピック。これをきっかけに、当事者にとって本当に必要な環境とは何か、理解が深まるといいですね。
開催中は、上記チャンネルで各競技がライブ配信されていますのでぜひ。
競技スケジュールなど詳細は公式サイトをご覧ください。
カナダでのデフリンピックの認知度
今年100周年を迎えるデフリンピック。国際的にも注目が集まっているはずですが、カナダ国内の認知度は高いとは言えません。
デフコミュニティでは当然話題になっており、日本旅行ついでに応援に行く人も多い印象です。
しかしながら、開会式翌日になっても大手メディアでは全く触れられていません。
国営放送のCBC(日本で言うNHK)に至っては、今年のデフリンピック関連ニュースはゼロ。
1991年の冬季デフリンピックはカナダのバンフで開催されたようですが、当時の記事も見つからず。
民放の CTV と Global News が今年取り上げたのも、10月の資金不足ニュースのみでした。
- Canadian Deaflympics athletes struggle with funding – Global News
- Canadian athletes raising funds to compete in Japan Deaflympics – CTV
歴史的な国際大会であるにもかかわらず、一般視聴者が目にする情報はごくわずか。こうした状況からも、カナダではデフリンピックがまだ広く知られていない現状が浮き彫りになっています。
カナダ代表チーム (Team Canada Deaf)
デフリンピックのカナダ代表チームは、「Team Canada Deaf」としてカナダデフスポーツ協会 (CDSA) によって組織・支援されています。
多くのデフアスリートが活躍しており、メダルを獲得するレベルの高い選手も多いです。CDSAによると、2025年の東京デフリンピックには 48人の選手 が参加予定で、競技は 9種目が含まれているとのこと。
カナダのデフコミュニティではCDSAが中心となって、募金活動やSNSでの発信で選手たちを応援しています。
しかしカナダも日本と同様、選手たちの努力や存在はあまり広く知られていません。資金面や認知面で課題が残っています。
まとめ
各国の文化と手話が交わりながら競技が行われるデフリンピック。認知度レベルは、日本とカナダでそれほど変わりなく低い印象を受けました。
カナダはアクセシビリティへの意識が高く、一見ダイバーシティにも啓発的な国。それだけに、デフリンピックの扱いがここまで小さいことには正直驚きました。どこも同じなんですね。
東京大会が、デフコミュニティや手話への理解と興味を広げる機会になればと思います。


