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uka
北海道出身、カナダ在住8年目。難聴。トロントでのワーホリと留学を経て、現在はカルガリーでひっそりと暮らしています。

カナダの紫外線は本当に7倍?日差しが強い理由と国の日焼け対策

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親子が公園の小道を手をつないで歩く、緑豊かな風景

「カナダの紫外線は日本の7倍」

SNSやブログでよく見聞きするこの7倍説。

一瞬「やっぱり海外の紫外線は強いよね」と納得しがちですが…本当に7倍も違うのでしょうか?

確かに私自身もカナダで、外に出た瞬間に顔がジリジリと焼ける感覚を覚えることがあります。日焼け止めを塗るのを忘れた日には、動悸さえします。

でも冷静に考えると、「7倍」という数字の根拠はどこから?そもそも、紫外線ってどうやって測るの?

…ということで、今回はそんな疑問を解決すべく、大人の自由研究として「紫外線7倍説」の真相を深掘りしてみました。

また、国が一丸となって取り組む本気の日焼け対策についても紹介します。

この記事でわかること
  • 紫外線の強さとは?
  • 紫外線7倍説の真相
  • 国が取り組む紫外線対策
目次

紫外線の基礎知識

そもそも紫外線とはなにか?どうやって強さを測るのでしょうか?

この記事に興味を持つ時点ですでにご存知の方が多いかも知れませんが、一応おさらいしましょう。

紫外線(UV)とは

紫外線(Ultra Violet = UV)は、太陽から出ている見えない光のひとつ。

大きく分けると3種類あります。

  • UVA(A波):肌の奥まで届いてシワやたるみの原因に
  • UVB(B波):肌の表面にダメージを与えて日焼けの元に
  • UVC(C波):地球の大気にほぼ吸収されて地表には届かない

地上に届いて私たちに影響するのは主に UVA と UVB

UVA は窓ガラスもすり抜ける厄介者。UVB は日焼けで肌が「焼ける」原因になります。

引きこもりでも日焼け止めを塗るのが吉。

この2つをまとめて「紫外線の強さ」を数値で表したのが、次に説明する UV指数です。

UV指数(UV Index)と

UV指数は、紫外線の強さを「0〜11+」の範囲で数値化したもの。

UV指数のリスクレベルを示すカラーグラフ。低(0-2)から極端(11+)までの5段階。
画像引用元:カナダ政府公式

世界中で使われている共通指標で、紫外線がどれだけ肌にダメージを与えるかの目安になります。

UV指数が中程度 (3-5) になったら日焼け止めは必要。

フィッツパトリック肌タイプとは

フィッツパトリック肌タイプ (Fitzpatrick scale) は、「肌のタイプによって紫外線の影響をどれだけ受けやすいか」を分類したもの。

人間の肌の色・反応を6段階に分けます。

フィッツパトリック肌タイプ図解。皮膚タイプとメラニンレベル、紫外線反応、癌リスクの関係を示しています。
画像引用元:Wikipedia

上図では、右にいくほど紫外線の影響を受けにくい肌タイプとなります。日本人の多くは「タイプIII~IV」に当てはまるといわれています。


まとめると、紫外線の強さを数値で判断するのは「UV指数」、受けるダメージは「肌タイプ」次第。

つまり、同じ紫外線量でも肌タイプによって影響の受け方が違うということですね。

紫外線の強さに影響する3つの要素

UV指数は、あくまで紫外線による日焼けのリスクを数値化したもの。

でも実際に感じる紫外線の「強さ」はUV指数だけでは測れません。体感としてのジリジリ感や肌へのダメージは、他にも要因があります。

ここでは特に3つ(太陽の高さ・湿度・高度)にまとめました。

ちなみに気温はあまり関係ありません。意外。

太陽の高さ(当たる角度)

お昼の12時ごろ、太陽が真上にくるときが一番、紫外線が強くなります。

逆に朝や夕方は太陽の角度が低くなります。斜めに差し込んだ紫外線は、大気を通過したぶん弱まります。

この「太陽の高さ」は、UV指数の計算にもしっかり反映されます。

標高(高度)

標高が高くなるにつれて大気が薄くなるため、紫外線が吸収されずに地上へ届きやすくなります。

一般的には、標高が 1000m 上がるごとに紫外線量は約 10〜12% 増加すると言われています。

つまり、同じカナダ国内でも、標高 1000m を超えるカルガリーなどでは、数字以上に紫外線が強く感じます。

これが、涼しくても日差しが「痛い」と感じる正体のひとつ。登山する人ならイメージしやすいかもしれませんね。

湿度

湿度が高いと、大気中の水蒸気が紫外線を吸収・散乱してくれる「天然のフィルター」になります。

逆に湿度が低いと、このフィルター効果がなくなり、紫外線がダイレクトに肌に届きやすくなります。

特にカナダの夏は、乾燥していて湿度がかなり低め。そのため、同じUV指数でも、紫外線が肌に突き刺さるように強く感じやすくなります。

だから、寒くても太陽がジリジリする!のですね。

「紫外線7倍」はデマ?

さて前置き(?)が長くなりましたが、本題にはいります。

「カナダの紫外線は日本の7倍」って、そもそもどこから来たのでしょうか?

私が調べた限りでは、公式の気象データや研究論文でそのように断言している資料は見つかりませんでした。

ただし、ネット上では2005年ごろから「オーストラリアの紫外線は日本の7〜8倍らしい」といった投稿が目立ち始めています。

紫外線対策に厳しいオーストラリアの話から、いつの間にか「カナダの紫外線は7倍」「海外の紫外線は強い」というイメージに変化していったのかも知れません。

要するに「都市伝説」的な流れでしょうか。

実際は、カナダと東京で同等か、条件によっては日本のほうが高いこともあります。同じ夏でも「雨の日本」と「晴れのカナダ」を比べるとUV指数が7倍になることも。

特にカナダは、空気が澄んでいる時期は特に紫外線が届きやすくなります。

標高が高く、晴れの日が多いカルガリーに住む私も「寒いのに太陽が近い」と感じることが多いです。

だからこそ、「7倍」という数字に根拠はなくても、「体感的には7倍以上」という声が多いのは納得です。

つまり「条件次第では本当に7倍くらい違う」ことはあるというのが結論。

意識の高いカナダの紫外線対策

カナダでは「日焼けは防ぐもの」という意識が徹底されていると感じます。

日焼け止めで顔が真っ白な子どもや工事現場の人。子どもから大人まで、公園や町中で日焼け止めをせっせっせと塗りたくる光景。

カナダに住む人なら、一度は見たことがあるのではないでしょうか。

ドラッグストアでも、SPF60以上の日焼け止めが普通に売られています。

子どもも学ぶ Sun Safety

カナダでは、幼稚園や小学校に入ると「Sun Safety(太陽から身を守るための行動)」について学びます。

オーストラリアで始まった紫外線対策スローガン「Slip! Slop! Slap! Seek! Slide!(着る・塗る・かぶる・避ける・かける)」は、カナダでも導入されています。

日本の避難訓練スローガン「おはし(押さない・走らない・喋らない)」のようにしっかり教育されています。いかに紫外線対策を重視しているかわかりますね。

よく聞くのが、カナダでは保育士が子どもたちに日焼け止めを塗るのが当たり前ということ。家庭でも教育現場でも「日焼け止めを塗る」ことが徹底されています。

カナダ政府の徹底した啓発キャンペーン

カナダでは、国が主導して紫外線の危険性についてしっかり発信しています。

国民の健康を守るため、がん協会や保健省も協力して紫外線対策を推し進めています。

たとえばトロントでは、街の至る所に日焼け止めが設置されています。

また、屋外作業が多い業種では、「安全講習」の一環として紫外線対策を導入している企業も多いです。

これらが、大人も子どもも当たり前のように日焼け止めを塗るという行動につながっています。

参考リンク

まとめ

この記事では、「海外は紫外線が強い」というざっくりしたイメージについてわかりやすくまとめてみました。

カナダの青い空と爽やかな風の裏でしっかり降り注ぐ紫外線の脅威。でも、ちゃんと理解すれば怖さも半減する…はず。

日焼け止めやサングラスでしっかり対策して、短いカナダの夏を楽しみましょう。

まばたきする暇もなく冬が来ますよ。

このブログでは、カナダで買えるおすすめの日焼け止めを紹介しています。

日焼けには保湿も大事ですよ。

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