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北海道出身、カナダ在住8年目。難聴。トロントでのワーホリと留学を経て、現在はカルガリーでひっそりと暮らしています。

カナダ・アルバータ州のクマ対策と駆除ルールまとめ【2025年最新版】

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ブラウンベアの横顔アップ

前回の記事では、カナダの熊事情について広く浅く紹介しました。

「カナダではクマを駆除しない」「問題を起こしたクマは眠らせて山奥へ返す」

これはどこまで本当なのでしょうか。どんな決まりがあるのか。駆除する or しないの基準は?

実際、カナダのクマ対策やルールは州によって違います。 

今回は、私が住むアルバータ州に絞って、もう少し深堀りしてみます。

公式情報やニュースをもとに整理し、クマ被害と対策の現状をわかりやすくまとめました。

目次

カナダ・アルバータ州のクマ対策

アルバータ州は、世界遺産カナディアンロッキーのバンフ国立公園ジャスパー国立公園があるところ。

カルガリーやエドモントンといった都市があり、日本からの観光客も多いエリアです。

ここには、主に「グリズリーベア」と「ブラックベア」の2種類のクマが生息しています。

国立公園のクマ情報 – Parks Canada

Alberta BearSmart 啓発プログラム

アルバータ州のクマ対策の基本は、「人間とクマの共存」を目指すこと。

州公式の啓発プログラム「Alberta BearSmart」では、クマの生息地で安全に暮らすための知識や、クマを人間の居住地に引き寄せない対策を広めることに力を入れています。

クマの「生息地」に住んでいるという自覚が必要なのですね…

ゴミ管理とクマ対策

登山口の駐車場にある頑丈なゴミ箱

国立公園内のゴミ箱 (wildlife-proof garbage bins) には、野生動物が開けられないよう特殊なロックがついています。

これはクマを人間の食べ物に慣れさせないための対策です。

また、カナダの国立公園では野生動物への餌やり・誘引・妨害は違法。違反者には最大25,000ドル (約280万円) の罰金が科せられます。

国立公園のゴミ管理ルール

Wildlife Crossings(野生動物専用の通路)

雪に覆われた林の中のトンネル

バンフ国立公園内の高速道路には、野生動物が安全に道路を渡るために設計された Wildlife Crossings(高架橋・地下道)がたくさんあります。

1996年に導入されて以来、野生動物と車両の衝突事故は80%以上減少。

「短いトンネルが多いな」と思っていたのですが、野生動物向けの橋だったんですね。

詳細はこちら、写真付きでくわしく解説されています。

「クマの駆除禁止」は本当なのか

「カナダではクマは駆除しない」と思われがちですが、実際はクマの種類と状況により対応が異なります。

グリズリーベアは絶滅危惧種

グリズリーベアと草原

Grizzly Bear Recovery Plan (アルバータ州公式)

アルバータ州では、グリズリーベアは2010年から「絶滅危惧種(Threatened)」に指定されています。

そのため、2006年から一般ハンターによる狩猟は全面禁止となっています。

ただしこれは「いかなる場合も殺処分されない」という意味ではありません。

州には「Grizzly Bear Response Guide」というガイドラインがあり、クマの危険度によって対応方法を決めています。

クマの危険度分類と対応

クマの行動は、危険度に応じて厳密に分類されます。

さらにクマの年齢や過去の行動履歴なども組み合わせて判断したうえで、専門の保護官 (Conservation Officer) が対応します。

クマの行動分類内容対応
人馴れ (Habituated)人間を恐れない予防措置・威嚇・再配置
餌付け (Food-conditioned)人間の食べ物の味を覚えゴミを漁る再配置・場合により安楽死
家畜襲撃 (Depredation)家畜を襲う再配置または安楽死
攻撃個体 (Offender)人間を攻撃し負傷させるほぼ安楽死
捕食個体 (Predator)人間を獲物として追跡する安楽死

「眠らせて森へ返す」というのは、主に「再配置(Relocation)」に当たります。

うっかり人里に降りてきちゃったようなクマは危険度が低いと判断され、山奥へ移送されます。

何度も問題を起こしたり、人間に危害を加えたりした場合は、安楽死(Euthanasia)という判断が下されます。

ブラックベアは狩猟が許可されている

森の中で草を食べる親子の黒いクマ3頭

一方、個体数が多いブラックベアは狩猟が許可されています。

毎年、決められた期間とルールの中で、ライセンスを持つハンターによる狩猟が行われています。

狩猟禁止の一部解除

2頭のクマと山岳風景

2024年には、州政府が「Wildlife Management Responder Network」というプログラムを導入し、狩猟禁止が一部解除されました。

これは、問題行動を起こしたグリズリーベアに限り、資格を持つハンターが対応できる制度。

自由に狩猟できるわけではなく、州から指名された問題個体に対してのみ出動できるしくみです。

しかし近年はクマ被害の急増に伴い、以前のような一般狩猟の再開を求める声が上がっています。

2025年11月には、州の大臣が「狩猟禁止の完全解除も検討する」と発言しました。(CBC News)

他の州との違いは?BC州のクマ対策

2匹の子グマ

アルバータ州のお隣、バンクーバーがあるブリティッシュコロンビア(BC)州では、対照的なアプローチが取られています。

BC州は、先住民の伝統的狩猟を除き、2017年からグリズリーベアの狩猟を全面的に禁止しています。

推定個体数は約1万5千頭。アルバータ州の約15〜20倍といわれています。

Bear Smart Community Program (ブリティッシュコロンビア州)

グリズリーによる子ども襲撃事件

2025年11月、BC州ベラクーラで起きたグリズリーベア襲撃事件。小学校の遠足グループがグリズリーに襲撃され、4人が重傷を負いました。

日本でも報道されましたね。(Yahooニュース)

襲撃したクマは現在も見つかっていません。疑いのある個体の捕獲・調査は続いているものの、証拠がないため森に戻しているようです。

このような事件をきっかけに、BC州でも狩猟禁止の是非について議論が再燃しています。

まとめ

同じカナダでも、州によってクマ対策のアプローチは異なります。

なので「カナダのクマ対策はこうだ」と一概には言えませんが、日本と同様に各地で議論がなされています。

今後の動向に注目。

当ブログではクマの話ばかりしていますが、バンフの大自然は一見の価値あり。

おいでよアルバータ。

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